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EDWIN WOODHOUSE -Ⅱ-

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今回は、英国を代表する名門ミル“エドウィン・ウッドハウス”の、“サンプルルーム”で行われるミーティングについて書かせていただきます。
毎回まず話し合われるのは次のシーズン(9月の訪問だったら次のS/Sシーズン)のコレクションの詰めの話ですが、それが終わるとさらにその次のシーズン(1年後のA/Wシーズン)に追加される新しい色柄について話し合います。
1年後のシーズンまでは時間の余裕がある為、すでに同社のコレクションに入っている色柄だけでなく、日本からリクエストを出したりもするのですが、同社が大切に保管している過去の“アーカイブ(今までに製造してきた全ての服地を記録した台帳)”からインスピレーションを得ながら、その場で「柄出し」の作業をすることもあります。
この“アーカイブ”は基本的に全ての老舗ミルが保有していますが、服地のデザインは各ミルにとって非常に大切なものである為、ミルにとってはまさしく「かけがえの無い財産」ということになります。
長い歴史を誇る“エドウィン・ウッドハウス”では、1857年の創業以来の“アーカイブ”が保管されていますが、今回使用したのは1935年のもの(左上写真)です。
中は右上写真のようになっており、販売先(マーチャントや高級既製服メーカー)別のページに分けて“スワッチ(小さく切られた服地)”が貼られています。
“BURBERRY(バーバリー)”などの有名メーカーの名前も頻繁に登場し、服飾の歴史の1ページを垣間見ることができます。
左下写真はアーカイブを閲覧している同社4代目共同経営者の一人、ジョン・ゴント氏ですが、同氏は来週再来日する予定となっています。
近代のサンプルはもう少し大きい状態のもの(右下写真)を見る事ができますが、こちらでも40年程前のものだそうです。
最近は“英国服地”、そして“伝統的な英国の色柄”にスポットが当てられていますが、先人達が作り上げてきたデザインの中には、現代に於いても新鮮さを感じさせてくれる優れたものがたくさんあるのです。