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OILY BOY

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私が今年の“ラ・フェスタ・ミッレミリア”で一番注目していた車は、ゼッケン9番を掲げる“1924年式 ベントレー3-4 1/2LITRE”でした。
実はこの車は、あの「風の男」白洲次郎がケンブリッジ大学留学中に愛用し、生涯の親友となる7世ストラッフォード伯爵ロバート・セシル・ビング(愛称:ロビン)と共にジブラルタルまでのヨーロッパ大陸旅行に使用した、あの有名なベントレー“XT7471”そのものなのです。
長年英国にあったこの車は、数年前に日本の著名なベントレーコレクター涌井清春氏により日本に持ち込まれました。
そして今回の“ラ・フェスタ・ミッレミリア”では、オーナーの涌井清春氏がステアリングを握り、白洲次郎氏の孫である白洲信哉氏がコ・ドライバーを務めることになり話題となっていました。
さて、私は当日会場に入ると真っ直ぐにこの車を目指したのですが、会場の隅に佇むその姿を見つけた時はあまりの嬉しさに興奮してしまいました。
何とも言えない重厚感と気品を持ったこの車は、見る者を惹き付けてやまないオーラを出しており、私もしばしその勇姿に見入ってしまいました。
多くの報道陣やファンがカメラを向けていましたが、私は幸運にも涌井氏、白洲氏にポーズをつけて写真を撮らせていただくことができました(左下写真/白洲信哉氏は左)。
また、パドックからスタート地点に向かう際には、そのエンジンサウンドを聴く事も出来、ますます感激でした(右下写真)。
「オイリー・ボーイ」(オイルにまみれるほどの車好き)と呼ばれた祖父が青春時代に駆って旅をした車に、80年以上の長い時を経てその孫が乗り1,000マイルの旅路へと発つ。
なんとも羨ましい素敵なストーリーです。