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PORTOBELLO MARKET

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今回はロンドンの週末の話題をお届けいたします。
以前に書かせていただいた通り、今回(本年2月)の英国出張はお取引先様のアテンドという任務があった為、金曜日はサヴィル・ロウのテーラー見学などを行なったのですが、週末はいつものように市内散策に出かけました。
まず向かったのは、ノッティング・ヒルの“ポートベロー・マーケット”。
この有名な蚤の市は毎週土曜日の一日のみ開かれており、世界中から多くの観光客が訪れますが、同じく有名なロンドン北東部の“カムデン・マーケット”と違い(こちらは古着などがメインの裏原系マーケットです)、アンティークの掘り出し物が多いことで知られています。
左上写真は最寄り駅である、セントラルラインのノッティング・ヒル駅。右上写真は駅から北方向に6,7分歩くと始まる路上マーケットの様子です。
実は私はロンドンの大学に行っていた頃、半年程このエリアに隣接するベイズウォーターという場所に住んだことがあります。
“ポートベロー・マーケット”まで徒歩約10分という好立地だった為、土曜日には友人達とよく散歩がてら繰り出したものでした。
さて、マーケットの出店には、歩行者天国の路上にある露店スタイルのものと、道路脇の建物内にあるブーススタイルのものがあり、アンティークの時計や家具などの高額商品はだいたい屋内のショップで扱われています。
私が学生時代から欠かさず覗く店の一つに、「ハドソンさん」の店があり(左下写真)、今回もお邪魔すると温かい握手で迎えてくれました。
こちらでは、氏が収集した20世紀初頭(1900~1950年)を中心とした雑誌から、美しい絵や写真が使われた広告を切り出し、紙枠に入れて販売しているのですが、これらをアンティーク調の額縁に入れて飾ると、なんともレトロな良い雰囲気が出るのです。
私はいつも欧州車の広告(アール・デコ時代のもの)を自分用に探すのですが、有名時計メーカー“ROLEX”の戦前のシリーズ広告(ストーリー別のもの)などは世界中にコレクターがいる人気アイテムだそうで、私も英国留学中に高校時代の先輩に頼まれ、「ハドソンさん」と50枚の大量買付け契約(少し大げさですが...)を結んだこともあります。
今回は“JAGUAR”の広告と、久しぶりに見つけた“ROLEX"シリーズの一つを購入しました。
こちらのショップは、マーケットのメインストリートを少し外れたウェストボーン・グローブ沿い(ポール・スミスのウェストボーン・ハウスの並び)にありますので、“ポートベロー・マーケット”に行く機会のある方は是非覗いて見て下さい。(ちなみに価格は1枚8ポンド=約¥1,600と元々リーズナブルですが、枚数をまとめれば値引きにも応じてくれます)
最後になりますが、右下写真はお取引先の若手テーラーさんと一緒に「駄目もと」で探していて見つけた、アンティークの“SHEARS(シアース=裁断士用大鋏)”。
私は数年前に見つけて以来(詳しくはこちらから)、何度探してもお目にかかったことがないレアアイテムなのですが、今回なんと「ハドソンさん」の露店がある建物の地下の店で発見しました。
20世紀初頭に作られたこの英国製の大鋏は全長約35cmの堂々たる風格ですが、交渉の末50ポンド(約¥10,000)で購入することに成功。
若手テーラーさんの旅の思い出となる品が見つかり私も非常に嬉しかったのですが、同時にマーケットでは諦めずに探す事が大切だと痛感させられました。